博士(工学)。天然物有機化学者、そしてベニバナ研究家です。“コツコツ実行”を志す努力家タイプ。好きな言葉は感謝。高校時代から頑固で寡黙、週7時間の工業化学実験に熱中し、専門書を読んでいました。理科は、教科書の中だけで終わらないのが醍醐味。サイエンスには無限の拡がりがある。「人生は化学平衡のようなもの。平衡移動の法則(ルシャトリエの原理)に従わない人生も楽し」なのだ。意味が分からない諸君、化学Ⅱを履修しなさい!
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2007年度SPP活動⑧・第5回講座〔講座Ⅱ:食品〕

2007.11.14

2007年度 理科特別講座
 Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2007
 ☆2007年度SPP&BSSP第6回講座〔講座Ⅱ:食品〕実施☆

SPP第5回講座:11月12日(月) 東京農業大学世田谷キャンパス 11時~16時
SPP公式報告は,「ニュース」・SPPコーナーをご覧ください!

  〔日本の食文化と科学技術 ~醸造技術と発酵技術~〕

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 サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト第5回講座〔講座Ⅱ:食品〕は,東京農業大学世田谷キャンパス18号館実験室で行われた。8階から見える都心の眺望にびっくり。新宿副都心やお台場、遠くに横浜ベイブリッジ、多摩川方面などを一望し、都心の大学に来たなという気分に浸る。昼食は、学食が混む時間を避けて早めに摂る。サラダは10g=10円、鮭フライ定食で600円ちょっと。割安感がある食事に満足。ゆっくりする間もなく、実験室に戻った。純白の本格的な白衣に身を包み、若き科学者の卵たちがいよいよ実験に挑むのだ。「麹の酵素力価をはかる」実験をスタート。

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 この実験は、醤油・味噌などの醸造に欠かせない麹菌というカビを生やした麹から得られる酵素(ここでの主人公は、タンパク質分解酵素プロテアーゼ)がタンパク質をどれだけの割合で分解してアミノ酸にするかを、チロシン1μgを1分間に生成する割合(Unit/g)として求めるものだ。生化学系実験では当たり前の器具や機器分析装置でも生徒たちにとってははじめて見る器具であり、はじめての操作。当然使い慣れていないので実験精度は期待できない。でも、実験についていただいた学生さんの指導のもと、不慣れながらも操作は何とか様になっているようだ。分光光度計、小生の当時はSP20を使っていたが、今は当然上位機種。微量液をメスピペットで吸い上げる。生徒たちは真剣に取り組んでいた。
 小生は、その風景を見ながら、実験室の探索へ。麹を扱う部屋があり、さすが農大と感心する。古いクリーンベンチを見て、さらに懐かしい気分になった。大学という場は独特の雰囲気があり、東海大学の時もそうだが、学生であったころの自分に返った気分になれる。
 実験は比較的難しい内容であったが、本格的な実験をしたという意義は大きく、生徒たちにとっても特化した分野の世界に一歩足を入れることが出来たのではないかと思う。今回のプレゼンテーションはデータの比較で終わってしまったが、大学の本格的な実験授業を味わう絶好の機会となった。
 最後に、舘先生を囲んで、学生さんとみんなで集合写真。いただいた大変貴重な発酵・醸造試料は、今後の生体分析用サンプルとして使うことを約束し、無事に帰路についた。次回は、いよいよ醤油工場へ。
 舘先生はじめ大学院生、大学生、短大生のみなさん誠にありがとうございました。また、よろしく御願い致します。

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2007年度SPP活動⑦・第4回講座〔講座Ⅱ:食品〕

2007.11.07

2007年度 理科特別講座
 Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2007
 ☆2007年度SPP&BSSP第5回講座〔講座Ⅱ:食品〕実施☆

SPP第4回講座:11月7日(水) 本校2号館化学実験室 9時~15時30分
SPP公式報告は,「ニュース」・SPPコーナーをご覧ください!

  〔日本の食文化と科学技術 ~醸造技術と発酵技術~〕

 サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト第4回講座〔講座Ⅱ:食品〕は,本校化学実験室で日本の伝統調味料のひとつである醤油の旨みを食品化学の力で解き明かそうという内容。日本人にとって醤油や味噌は食卓に無くてはならない貴重な財産。醤油にも特級や上級というグレードがあり,等級によって五味が微妙に異なってくるという。東京農業大学短期大学部醸造学科教授舘博先生より醤油・味噌に関する特別授業を行っていただいた。

 はじめに,先生より醤油の歴史から製造方法,さらには旨み成分(昆布からは,グルタミン酸MSG,鰹節からは,5’イノシン酸5'IMP,椎茸からは,5’グアニル酸5'GMP),旨みの化学成分,タンパク質分解酵素プロテアーゼなど食品から生化学分野までをわかりやすく,ユーモアある語り口で楽しく,やさしく解き明かしてくれた。大学の先生というイメージを保ちながら,ちゃんと高校生の目線に合わせた口調とテンポで指導していただき,本テーマの導入としては Good な展開となった。

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 続いて,醤油中に含まれるアミノ酸含量を大まかに求めるホルモール含窒素測定実験。中和滴定操作を習得していない生徒が大半を占める中,事前学習を行い,何とか器具の取り扱いができる段階までの生徒達。すばらしいことに,見事に醤油のグレードを当てるレベルまで到達したのである。
 実験に供した醤油は,建学祭で大量に使用した大瓶の醤油と本校の食堂で利用している醤油を使っての実験。ちなみに実験結果は,含窒素量で大瓶が7.6%程度,食堂用8.6%程度と大きな差が開き,またグレードの差がしっかりと数値として現れてきたのである。生徒達のレベルの高い実験操作が反映された結果であると同時に,醤油のグレードによって旨みも異なることや実際にテイスティングでも旨いなと思える醤油と実験結果がみごとマッチングしたのだ。
 午後からは,味噌のテイスティング実習。色や風味,味,旨みなど実際に6種類の味噌を舐めて好みの味噌を選ぶ実習。やはり幼児期より食している味噌汁の味がベース。地域によって味噌の種類や味は大きく異なるため,関東人としては信州産や宮城産の味噌の方が馴染みが濃いようである。でも,西京白味噌の甘さといったらすごい!是非とも雑煮で食べてみたい。他の味噌とブレンドするとコクが増すことも発見の一つであった。

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 最後にプレゼンテーション。生徒達のホワイトボードでの作業も手馴れたもの。発表もしっかりと楽しく行っていた。
 実験を終了して,醤油の捕らえ方が完全に変わった。講義の中で,“醤油は食卓に絶対に必要なものでありながら空気のような存在”と教わった。人生もそれに然りか。これからは食材に合った醤油をしっかりと選んで食して行こうと思った。生徒たちも,前回の航空や洗剤とは一味違った今回のSPP。醤油の味と同様に,一味違ったSPPとなったことでしょう。

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 先生の熱意あるご指導に感謝申し上げます。次回もお世話になります。
 次は,東京農業大学世田谷キャンパスでの講座となります。では,また・・・・・・・・・・・・。

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