博士(工学)。天然物有機化学者、そしてベニバナ研究家です。“コツコツ実行”を志す努力家タイプ。好きな言葉は感謝。高校時代から頑固で寡黙、週7時間の工業化学実験に熱中し、専門書を読んでいました。理科は、教科書の中だけで終わらないのが醍醐味。サイエンスには無限の拡がりがある。「人生は化学平衡のようなもの。平衡移動の法則(ルシャトリエの原理)に従わない人生も楽し」なのだ。意味が分からない諸君、化学Ⅱを履修しなさい!
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お家で化学実験(シュークリームとトッポギのお料理)

2008.05.26

 こんにちは。小生は,理科講座(化学系)という科目を担当しています。この授業は担当教員が内容を自由に決め,自由に進められる講座であり,大学の専門科目のようなものです。テーマは,「身近な世界のケミストリー」と題し,衣食住に関する化学実験を楽しく行っています。授業では,生徒達に“料理は化学実験”ということを良く話します。「料理=化学実験」なのです。なぜ!と思う方も多いでしょう。
 先週の日曜日,久し振りにお家で子ども達と化学実験をしました。テーマは,「デンプンの一種アミロペクチンが及ぼす食感試験とグルテンを中心としたタンパク質変性ならびにコロイド・エマルジョンに関する実験」です。専門は,天然物有機化学と物理化学分野でしょう。翻訳すると,「手作りシュークリームと韓国餅トッポギのお料理」となります。
 シュークリームの皮は,小麦粉(薄力粉)を使います。一般に,パンは発酵させて生じた二酸化炭素を生地内に閉じ込めるため強力粉を使いますが,シューの皮は薄力粉で十分となります。その違いは,小麦粉中に入っているグルテンの含有量となります。グルテンはタンパク質の一種で,粘弾性や伸展性があり,パン生地の粘り気を出します。約70℃程でタンパク質変性を生じて,その性質は失いますが,その変性率を調節することで,ふっくらとしたパンが焼けます。シューの皮は,含有率8%程度の粉を使うことで,シュー特有の皮が出来上がります。卵もタンパク質変性に一役担います。クリームは,生クリームを攪拌し,空気を十分に取り込んだコロイド状態にします。そこに,バニラエッセンスを加えて出来上がり。全ては,高等学校の化学の知恵があれば,完璧に出来上がります。まさしくケミストリーなのです。

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 一方,韓国餅(主成分はうるち米:アミロペクチンと呼ばれる立体架橋構造を有したデンプンの一種が豊富にあり,粘り気があり餅特有の食感が生まれます)をコチュジャンを加えて甘辛風に煮た料理で,小生にとっては,大好きな韓国料理の一つです。棒状の韓国餅を湯通しすると,すぐにやわらかくなり,食べやすくなります。牛肉,ねぎ,ニラに専用のタレとちょっと辛さにアクセントを付けるため,さらにコチジャンを加えました。これも,アミロペクチンに関する化学実験です。
 楽しい料理の中にも,学問があるのです。そう考えると,理屈はどうあれ,小さい頃からみなさんは化学実験をしているのです。そういう目線で世界を見ると,勉強には無駄はないのですね。また,お家で実験をしたら報告しましょう。次回は,パンかな。

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トラックバック(0)|投稿者:Dr.Eng.Aki.
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